ある日の午後
私は娘をベビーカーに乗せて
さほど広くない
しかし、狭くもない歩道を歩いていた時のこと、
前方から
ヒョウ柄のツーピースを着て
パーマをあてた髪をやや茶色くした
歳は60に差し掛かるくらいのおばさんが
自転車に乗って
なんだかすごい勢いでやってきた。
ブレーキをかけるたびに
キーキーッ、キーキーッ
鳴っているので
私はなるべく歩道の端によけたのだが
おばさんの自転車は
さらに大きな音を立てて
遂には
私の目の前で
やはり尋常ではないブレーキ音を立てて
止まってしまった。
どうやらおばさんは
スムーズに道を通り過ぎたかったようで
私がいることで
おばさんの自転車が止まってしまい
さらには自転車から降りなくてはならなかったことが
えらく腹が立ったらしく
「ベル鳴らしてるんだからもっと端によってよ!!」
って怒鳴られた。
えらい勢いでまくしたてるものだから
本当は
出来るだけ端に寄ったよ!
とか、
別に自転車から降りなくても私だったら通り過ぎてたよ!
とか、
言いたい事はいっぱいあったけれど
「自転車のブレーキがうるさくてベルなんてちっとも聞こえなかった」
と、試しに一言言い返してみた。
そしたら、
おばさんはもっと声がでっかくなって
もっと、もっと、えらい剣幕になったので
やめておけばいいのに
「油が足りてないんじゃない?」
ってもう一言、
私は
おばさんのキーキーやかましい自転車のことを言ったつもりなのに
おばさんは
おばさん自身に油が足りていないって言われたと勘違いして
さらにもっともっともっとでっかい声になって怒りだした。
この歩道で
私とおばさんは上手くすれ違うことが出来なかったけれど
世の中って
すれ違いばかりだと思う・・・。
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